大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

仙台高等裁判所 平成12年(行コ)12号 判決 2000年12月14日

控訴人

右訴訟代理人弁護士

鈴木欽也

被控訴人

盛岡税務署長 田澤耀友

右指定代理人

近藤裕之

高橋藤人

松倉幸悦

鈴木芳樹

主文

本件控訴を棄却する。

控訴費用は控訴人の負担とする。

事実及び理由

第一控訴の趣旨

一  原判決を取り消す。

二  本件を盛岡地方裁判所に差し戻す。

第二当事者の主張

当事者双方の主張は、原判決の「事実」第二及び第三に記載のとおりであるから、これを引用する。

第三判断

当裁判所も、控訴人の本件訴えは適法な異議申立てを経たものでなく、また、審査請求に対する裁決書の謄本が送達された日から二年余を経過し、法定の出訴期間経過後に提起されたものであって、いずれの点からも不適法として却下すべきものと判断する。その理由は、原判決の理由説示と同一であるから、これを引用する。

控訴人は、本件の争点は担当税務署職員が「修正申告した方が税金が安くなりますよ」と言って騙したかどうかであり、担当税務署職員に詐欺的行為があることを理由に課税処分の取消しを求めるものであって、詐欺的行為は取消しによって無効となり、無効な行政処分の取消しについては一定の期間内に不服申立てをすべきものとする合理的理由がない旨主張するが、独自の見解であって採用することができない。

よって、原判決は相当であり、本件控訴は理由がないので棄却することとし、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 大内俊身 裁判官 吉田徹 裁判官 比佐和枝)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例